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コービーが偉大だった数々の理由。唯一ジョーダンの後継者と言える存在だった (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

 コービーが妥協しない姿勢で試合に臨んでいたことを示すエピソードとして、ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが紹介している。15年以降、同軍で3度のNBA王座戴冠に貢献したグリーンだが、2012-13年シーズンのレイカーズ戦、プロ1年目だったグリーンは他のルーキーたちがそうするように、試合開始時刻の午後7時半よりも4時間ほど前からコートに出て、身体を慣らしていた。ところが間もなくして、すでにスター中のスターだったコービーがコートに現れたというのだ。グリーンによれば、時計はまだ夕方の4時ぐらいだったという。コービーほどの大御所ならば、準備は本来もっと後の時間帯であるはずだ。

「そこから彼は40分もかけてワークアウトをこなしていった。俺はそれを眺めていて、ウェイトトレーニングとトリートメント(身体のケア)をするのを忘れてしまったほど」

 米NBCスポーツのドルトン・ジョンソン記者の取材にグリーンは、当時を振り返ってこう話している。どれだけ優れた能力があっても常に万全の準備をして臨んでいたことの証左であり、それが大きな故障なく20年もの間、プレーができた理由でもあっただろう。

 オフコートでのスキャンダルはあったものの、基本的にバスケットボールを離れた時のコービーに「やんちゃ」な印象はなかった。が、試合に入ると人が変わったかのように強気で、自分を信じてやまない姿があった。

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