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【男子バスケ】田臥勇太が語る「新シーズン」と「黒子のバスケ」 (4ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

田臥勇太(たぶせ・ゆうた)●1980年10月5日生まれ、神奈川県横浜市出身。リンク栃木ブレックス所属のポイントガード。秋田県能代工業高時代に高校総体、国体、高校選抜の3大タイトルを3年連続で制し、史上初の「9冠」を達成。2004年にフェニックス・サンズと契約。日本人として初めてのNBAプレイヤーとなる。2008年、リンク栃木に入団し、2009-2010年シーズンにはチームを初優勝に導いた。173センチ、70キロ。田臥勇太(たぶせ・ゆうた)●1980年10月5日生まれ、神奈川県横浜市出身。リンク栃木ブレックス所属のポイントガード。秋田県能代工業高時代に高校総体、国体、高校選抜の3大タイトルを3年連続で制し、史上初の「9冠」を達成。2004年にフェニックス・サンズと契約。日本人として初めてのNBAプレイヤーとなる。2008年、リンク栃木に入団し、2009-2010年シーズンにはチームを初優勝に導いた。173センチ、70キロ。――『黒子のバスケ』では、敵のプレイをコピーして自分のものにする黄瀬涼太、コートのどこからでも3ポイントシュートを決められる緑間真太郎、抜群の跳躍力を誇る火神大我など、自分だけの武器を持った個性豊かな選手たちが登場します。実際、自分だけの武器や個性を見つけるは難しいですか?

田臥 それは簡単で、「自分の好きなプレイとは何か?」ってことだと思うんです。シュートが好きなのか、パスが好きなのか、ドリブルが好きなのか、ディフェンスが好きなのか……。自分が好きなプレイを磨いていけばいい。僕は最初、マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ/ポイントガード)のプレイに憧れたので、シュートよりパスに楽しさを感じたんです。マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズなど/シューティングガード)やチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズなど/パワーフォワード)に憧れていたら、違うスタイルになっていたと思います。

――「憧れ」が今の田臥選手のスタイルを作ったと。

田臥 そうですね。バスケは、身長が高いにこしたことないけど、低くてもできることがある。足が遅くても、走り出しを一歩速くするだけで、先頭を走れる。得点を取れなくても、リバウンドやディフェンスでチームに貢献できることがある。僕は自分の身長を弱点に思うときもあるけれど、強みに思うときもある。必ず、その人にしかできない、チームに貢献できるプレイってあると思います。

――それは多くの選手の励みになります。

田臥 あと、最近、「何を考えているかわからない選手」というのが、相手にとって脅威だし、究極の目標かもしれないなって思いますね。

――『黒子のバスケ』で言えば、相手の反応を見てからプレイを変更できる、「後出しの権利」の能力を持つ、木吉鉄平の能力に近い?

田臥 近いかもしれないですね。NBAのサンズで一緒にプレイしたスティーブ・ナッシュ(現レイカーズ)がホントにそうでした。淡々とやっているように見えるけど、何を狙っているかわからない。マッチアップして鼻息が荒かったりすれば、「ドライブが来るな」ってわかるんです。でも、ナッシュは飄々(ひょうひょう)とドライブしてくる。何を考えているか完全にわからない選手っていうのが究極かもしれないです。

――では、もし、『黒子のバスケ』で登場する選手と同じ能力を持てるとしたら、誰の能力がほしいですか?

田臥 もちろん全部、欲しいです(笑)。ひとりだけなら……、誰ですかねえ? 一度でいいので、火神選手みたいに高く跳んでみたいですね。あれだけ跳べたら、どんな世界が見えるんだろうって思います。あんなすごいダンクをしてみたいです。

――では、チームメイトとして一緒にプレイしてみたい選手は?

田臥 黄瀬選手かな。敵のプレイをコピーできるのは、面白いですよね。どんな強い選手が相手チームにいても、そのプレイをコピーしてくれたら、ポイントガードとしては助かります。ただ、ズバ抜けた能力を持った選手がチームにひとりいても、勝てないのがバスケの面白さなのかなとも思います。

――それは、どうしてですか?

田臥 どんなにすごい選手がひとりいるより、一体感のあるチームの方が強いと思うからです。昨シーズンのNBAは、マイアミ・ヒートが優勝しましたけど、レブロン・ジェームズひとりで勝ったんじゃない。各々が自分の役割を理解し、そこに責任を感じ、徹底できたから強かったんだと思うんです。

――では最後に、「楽しくなければ勝利じゃない」という黒子テツヤの信念は、プロの立場からはどう思いますか?

田臥 正直、僕はどんな内容のゲームでも、勝って楽しくなかったことはないですね。たとえ、自分のプレイが良くなくても、勝てたら嬉しいです。ただ、黒子選手の考え方もわかります。もし自分がダメでも、チームが勝つということは、チーム全員で補えたということなんで。そもそも僕は、プレイできるだけで楽しいんで(笑)。コートに立てるだけで嬉しいんです。


【黒子のバスケinformation】
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初版発行部数100万部を記念して、『黒子のバスケ』24巻を購入すると、
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詳しくはコチラ→「週刊少年ジャンプ」公式サイトshonenjump.com


【リンク栃木ブレックスinformation】
田臥勇太選手の所属するリンク栃木ブレックスの10月のホームゲームはコチラ!
10月5日(土)&6日(日)@ブレックスアリーナ宇都宮
10月26日(土)&27日(日)@栃木県立県南体育館
詳しくはコチラ→リンク栃木ブレックス公式ホームページ

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