【男子バスケ】田臥勇太が語る「新シーズン」と「黒子のバスケ」 (2ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――田臥選手個人の課題や、目標はありますか?

田臥 常にアグレッシブに。特に得点の部分は、狙って取っていこうと思っています。コーチからも、「アグレッシブに攻めろ」と言われているので。積極的に攻めることでゲームをコントロールすることが、今シーズンのテーマですね。まだまだ、できることはいくらでもありますから。

――つまり、「まだうまくなれる」ということですか?

田臥 もっとうまくなれると思っている......と言うより、うまくなりたいです。リトアニアに行って、すごく感じたんですよね。動き方、ボールの操り方、パスの仕方――。ひとつでも、ふたつでも取り入れたい。学ぶべきことはいくらでもありましたから。

――自身、今年で33歳という年齢は気になりませんか?

田臥 身体のケアには時間をかけなければいけないですし、今まで以上にトレーニングしなければいけない部分もあります。ただ、衰えというのは一切、感じません。

――現在は、学生時代に田臥選手に憧れて練習に励んだ選手たちと同じコートに立っています。そんな世代にも、負けるつもりはないですか?

田臥 そうですね。対抗意識はないですけど、いい刺激になります。僕を見てきてくれた選手と同じコートに立つ。「一緒にやったらココが違うんだ」「コレがすごいんだ」って感じてもらえるようなプレイをしなければいけないってことが、モチベーションのひとつになっています。でも正直、自分の事しか気にしてないんで(笑)。それぞれ選手は頑張っているので、それに負けないようにするだけ。自分のことだけで精一杯です。

――今もうまくなりたいという向上心は、何が支えとなっていますか?

田臥 それは単純で、バスケットが好きなだけです。それだけですね。やっていて楽しいから。パスが通った瞬間、点を取った瞬間、どの瞬間も......。ミスした瞬間ですら、悔しいけど楽しい。この感覚は、ミニバス(ミニバスケットボール)時代から変わってないですね。

――そこだけは変わらない、と。

田臥 バスケが好きというより、今もどんどん好きになっている。知れば知るほど、奥が深い。すごい奴もいくらでもいる。だから、コートに立っているだけで楽しいんです。ホント、一瞬でも長くバスケを続けたいだけです。

――2020年、東京オリンピック出場は視野に入っていますか?

田臥 出たいですね(笑)。そのとき、40歳。必ず目指します。

――ただ、日本代表は今夏のアジア選手権で9位。オリンピックの自国開催は決まっても、国際連盟の判断次第では開催国枠で出られる保証はないという状況です。

田臥 絶対にそれは避けなければいけない。そのためにも今シーズンは、7年後の、そして日本バスケの未来のためにも、大切な1年なんです。

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