【NBA】ヒート連覇達成!レブロン・ジェームズがジョーダンを超えた日

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

V2を喜び合うドウェイン・ウェイド(左)、レブロン・ジェームズ(中央)、クリス・ボッシュ(右)の「ビッグ3」V2を喜び合うドウェイン・ウェイド(左)、レブロン・ジェームズ(中央)、クリス・ボッシュ(右)の「ビッグ3」 優勝トロフィーを手にしたレブロン・ジェームズは、笑みを浮かべながら、しかし、首を振ってこう答えた。

「1回優勝したら、その次からはどんどん楽に勝てるものだと思っていた。しかし、間違っていた。このファイナルは、群を抜いて難しかった」

 2012−13シーズンのNBAは、マイアミ・ヒートの優勝で幕を閉じた。昨季に続き、ヒートは2連覇を達成。今季レギュラーシーズンで、リーグトップの66勝を挙げたナンバー1チームが頂点に立った。

 一見、誰もが「あぁ、やっぱり」と思った結末である。しかしチャンピオンへの道のりは、レブロンが思った以上に険しかった。山登りに例えるならば、整備された道ではなく、誰も歩いたことのない岩場の獣道(けものみち)。まさに一歩一歩、足場を確かめながら、頂点までたどり着いた印象だ。

 今プレイオフ、シカゴ・ブルズ(4勝1敗)やインディアナ・ペイサーズ(4勝3敗)が相手となったシリーズを、いずれもタフな接戦の末に勝利。しかし、ファイナルで迎えたサンアントニオ・スパーズとのクライマックスは、また一段と高いレベルの苦しみを味わうことになった。第5戦、スパーズに屈してついに2勝3敗。王手をかけられたヒートは、背水の陣へと追い込まれた。

 しかし、ディフェンディングチャンピオンのヒートは、そこからが強かった。追い込まれた第6戦、最終クォーター残り28秒から5点差を追いつき延長戦を制すと、序盤でリードを許した第7戦も、逃げるスパーズを必死で追走。最後は逆転で優勝を奪い取った。

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