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シカゴ・ブルズの救世主は、公称175センチの「小さな巨人」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 シドボーHCから声が掛かったときの心境を、ロビンソンはこう語る。

「コーチから電話をもらい、『ブルズに来てほしい』と言われたとき、コーチが求めることは何でもやろうと思ったんだ」。さらに、こう付け加えた。「そして、『彼らが求めているような選手に僕はなれるんだ』ということを、みんなに見せたかったんだ」。

 かつて、コートを引っ掻き回すことが持ち味だったロビンソンは、シボドーのもと、ペースを落としてチーム全体を見ることを心がけるようになり、チームの足を引っ張ることなく、チームに貢献する道を見つけつつある。一方、シボドーHCも辛抱強く、正しいプレイのチョイスを教えながら、彼の持ち味を、ミスも含めて受け止めるようにしているという。

「ネイト(・ロビンソン)の持ち味を消したくはない。彼には良いときと悪いときがあるので、良いことが悪いことよりも多いようにと願っている」とシボドーは語る。

 一方のロビンソンも、「コーチからはいつも厳しく言われるけれど、それでも大歓迎だ。だって僕のことを気にかけ、上達してほしいと思っているからこそだからね」と語り、その言葉からお互いの信頼関係がうかがわれる。シーズンを通してお互いを尊重し、信頼関係を築いてきたことが、プレイオフの窮地で実を結んでいるのだ。

 しかし、ロビンソンいわく、それでもシボドーHCはシュートを打つたびに怒ってくると言う。シュート好きのロビンソンと、ロビンソンのシュートセレクションに我慢できないシボドー。ふたりがうまくやっていけているコツは、何なのだろうか? そう聞かれたロビンソンは、それは簡単だとばかりに即答した。

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