ラグビーW杯、新国立での開催断念に「災い転じて福」はあるか?

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Kyodo News

 ラグビー界に衝撃が走った。総工費高騰で世論の反発を受けていた新国立競技場の建設計画の「白紙撤回」が決まり、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)での同競技場使用は不可能となった。

昨日午後、安倍首相が新国立競技場の建設計 画見直しを正式に発表昨日午後、安倍首相が新国立競技場の建設計 画見直しを正式に発表

「我々としては残念......」。2019年W杯日本大会組織委員会の嶋津 昭事務総長はため息を漏らした。それはそうだ。新国立では、開幕戦と決勝の開催が決まっていた。盛り上げと収入の柱として期待していただけに、その8万人収容の新スタジアムを失ったダメージは大きい。大会組織委としては、まず国際統括団体「ワールドラグビー(WR)」に事情と経緯を説明し、理解してもらわないといけない。

 そのうえでWRと開催自治体と協議し、メイン会場の代替地を探さなければならない。現状では横浜市の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)か東京都調布市の味の素スタジアムか。キャパシティーや施設を考えると、収容7万2千人の横浜国際総合競技場だろう。いずれにしろ、大会組織委は大幅な大会計画の変更を余儀なくされる。

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