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【F1】角田裕毅はマシンの限界ギリギリを模索中 レッドブル代表も「これまでのドライバーと違う」と後押し (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【フェルスタッペンと好みは似ている】

 だが、確実に手応えはつかんでいたと、角田は言う。

「FP3から新型フロアを投入したんですけど、セッションが(トラブルなどで)とっ散らかってしまったこともあって、フロアのことを学んだりセットアップを調整したりという時間がなかった。それを考えれば、Q2(予選11位)というのは悪い結果ではなかったと思います。

 もちろんもっと上に行きたかったですけど、トライしたことはうまくいったと思います。間違いなく、それ以前よりもよくなっていました」

 そうは言うものの、フェルスタッペンの走りを参考にしていないとか、過剰に自信を持ちすぎているというわけではない。

 角田とフェルスタッペンのドライビングスタイルや好みは似ており、データをコピーするまでもなく、自然と同じ方向に向かうことも少なくないという。しかし、最初からフェルスタッペンのセットアップとドライビングをコピーして合わせこんでいくのではなく、自分にとってナチュラルで気持ちよく走れるマシンとドライビングを追求していくことにこそ、RB21攻略のカギがあると角田は見ているのだ。

 少なくとも、そういったアプローチを採ることができたドライバーは過去にいなかった──。クリスチャン・ホーナー代表がそう語ったように、角田のセットアップ能力や適応力は高いというのがチームからの評価だ。

「マックスのセットアップは参考にしないで、シミュレーターでいろいろと学んだうえで、自分なりのセットアップを仕上げてレース週末に臨んでいます。マシンに関するフィードバックや走らせ方はデータを見ても似ていますし、僕たちのドライビングや好みは似ているので、レース週末のなかで自然と同じ方向になることも少なくありません。

 僕が聞いているかぎりでは、これまでのドライバーたちはすべて完全に(フェルスタッペンと)同じセットアップで走っていたらしいんです。クリスチャンが『これまでのドライバーたちと違うアプローチ』と言ったのは、そういうことだと思います」

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