【F1】角田裕毅はマシンの限界ギリギリを模索中 レッドブル代表も「これまでのドライバーと違う」と後押し (3ページ目)
【手法を学ぶフェーズは終わった】
予選でマシンの性能を最大限に引き出そうとする際に課題となるのは、マシンを信頼して限界ギリギリまでプッシュできるかどうか。
「違いというのは、予選で最後のコンマ数秒を引き出す時の詰め方の部分だけなんです。そこはマシンに対する理解度や、いかに自信を持ってドライブできるかにかかっています」
燃料を極限まで削り、パワーユニットのモードをフルパワーまで引き上げたマシンで走ることができるのは予選だけ。その領域でのほんのわずかな差がすべてのコーナーで少しずつ積み重なってコンマ数秒の差になるのが、マックス・フェルスタッペンのドライビングであり、そのコンマ数秒の差でポジションが5個も10個も違ってきてしまうのが今のF1だ。
「マックスは常に、どんなスピードでコーナーに飛び込んでいってマシンをどう扱えばいいかわかっています。僕はそこが最後のほんの少し、どこまで攻められるかがまだ把握しきれていないわけです。
たとえば190km/hで走るコーナーでも、190.6km/hとか190.8km/hとか、ほんの少し速い車速で飛び込むだけで、マシンの挙動が違ってくるんです。そういう小さな差がすべてのコーナーで積み重なっていく」
RB21に合ったセットアップの方向性や手法を学んでいくフェーズは、すでに終わった。ここからは、そういった一つひとつのコーナーでの、ほんのわずかな差を少しずつ詰めていって積み重ねていき、1周トータルで0.1秒でも0.05秒でもラップタイムを縮めることだ。
それを、角田は自分に合ったマシンで成し遂げようとしている。
今週末は完全にではないものの、フェルスタッペンとほぼ同じ仕様のマシンで走ることができる。少なくともレース週末を通してひとつの仕様で走ることができるはずだ。FP1から予選までに小さなビルドアップを重ねていき、Q3でいかに限界まで近づけるかという勝負を始めていかなければならない。
3 / 4