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【F1】角田裕毅は周囲の雑音もどこ吹く風 キャリア通算100戦で積み重ねた自信は1ミリも揺るがない (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【新たなアプローチをトライ】

 イモラでは予選Q1でミスを犯し、モナコでは予選Q2の戦略がつたなくて敗退。バルセロナでは週末を通して原因不明のグリップ不足に見舞われた。

 結果はたしかに、この3戦で1ポイントのみと低迷している。

 だが、結果ではなく本質に目を向ければ、速さは衰えるどころか、着実に伸びている実感がある。予選で結果につなげられないレースが3戦続いたが、マシンへの理解は深まり、速さは増している。

 角田自身には、その手応えがあるのだ。

 スペインGPを終えたあと、角田はバルセロナに居残ってTPC(旧型車テスト)と2026年型タイヤ開発テストを行ない、2日間にわたって走り込んだ。

「(初日は2023年型の)RB19でかなりの周回数を走り込みました。レース週末に走った同じサーキットを走ったことによって、(TPC用の)アカデミータイヤとはいえ比較がクリアにできました。チームに対していいフィードバックができたと思いますし、僕自身としても改善したり、RB19のよさを生かすためのアイデアが得られたかなと思います。

 あと(2日目は)2026年型タイヤの開発テストでフィードバックに専念しました。ミルトンキーンズのファクトリーではシミュレーター作業も行なってきました。スペインGPがあのような結果になってしまっただけに、今週末は予選でしっかりといいアタックを決める必要があると思っています。そのための作業をしっかりとやり込んできました」

 そのなかで得たアイデアから、スペインGP週末の不調原因を把握し、カナダGPに向けて新たなアプローチをトライする。

 角田は「もしそれがうまくいけば、どんなことだったのか言います。うまくいかなかったら、黙っておきます(笑)」と詳細をはぐらかしたが、着実にマシンへの理解が進んできたこのタイミングだからこそ試したいことがあるのだろう。それが次のステップにつながると考えてのトライだ。

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