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【F1】角田裕毅は周囲の雑音もどこ吹く風 キャリア通算100戦で積み重ねた自信は1ミリも揺るがない (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【カナダGPは走れる縁石】

 カナダGPの舞台ジル・ビルヌーブ・サーキットは、1967年のモントリオール万博と1976年のモントリオール五輪のために造成された人口島の公園周遊路を使った半公道サーキットだ。

 4本のストレートをヘアピンやシケインでつないだ比較的シンプルなレイアウトだが、パワーだけで乗りきれるサーキットではない。シケインは140km/h前後でクイックに切り返す空力性能が必要で、鈴鹿並のダウンフォースレベルで走る。

「パワーサーキットと言われますが、PU(パワーユニット)的にはそれほど(パワーの)ラップタイム感度は高くなくて標準的です。予選では(スロットル全開時にはすべてディプロイメントを利かせる)フルディプロイができますし、レースでのエネルギーマネージメントに関しても特に厳しいということはない。ほかのサーキットと似たようなレベルで、通常どおりの準備を進めていくことになります」(ホンダ・折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャー)

 そしてシケインでは、やや古いスタイルの縁石を大きくまたぎ、マシンを跳ねさせて向きを変えていくゴーカートのような乗り方が求められる。

 レッドブルのマシンはこうした縁石を絡めた走りが苦手だとされる。だが、モナコやシンガポールの縁石とはまた違うと、角田は言う。

「実際に走ってみるまでわかりませんけど、ここの縁石はほかのサーキットとかなり違っていて、(積極的に使って)走れる縁石なんです。だから走る前からRB21がこのサーキットに合わないと、結論づけてしまう必要はないかなと思います。

 去年のレッドブルは(優勝していて)まったく問題ありませんでした。なので僕らにとって、苦手なサーキットだと思っていません」

 今の結果が結果だけに、何の根拠もない噂や想像の産物ですら、信憑性を帯びてしまう。それが日本語に翻訳され、あたかも事実であるかのように報じられてしまう時代だ。

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