世界で巻き起こるF1ブーム「あの頃の日本のよう...」ベテランカメラマンたちが熱狂のなかで撮りたいレーサーは? (2ページ目)
【日本は海外ほどの盛り上がりなく...】
ーー観客動員が30万人を超えていた1990年代から2000年代の日本GPは、まさにそんな感じでしたね。
桜井 あの時代の日本のような熱気が今、世界のサーキットで渦巻いています。アメリカで1年間に3回レースが開催されて人気が爆発しているとよくメディアで報じられていますが、ヨーロッパでも盛り上がっています。チケット代やホテル料金もすごく上がっているのに、簡単に取れなくなっているようです。
熱田 海外はお客さんが間違いなく増えています。とくに北米ではNetflixのF1ドキュメンタリー番組『Drive to Survive(栄光のグランプリ)』の影響もあって、若いファンがサーキットに来ています。一方で日本に関しては、一時期(2010年代の前半)よりも人気は上向きになっていますが、海外ほどの盛り上がりは感じません。
これまでに600戦近くF1を撮影してきた熱田護氏 撮影/村上庄吾この記事に関連する写真を見る
F1やフェラーリの公式フォトグラファーも務める桜井淳雄氏 撮影/村上庄吾この記事に関連する写真を見る
桜井 2016年にリバティメディアがF1を買収したあと、より魅力的なエンターテインメントになっていると感じます。2025年はF1創設75周年を記念して開幕前に史上初となる全チームによる新車の合同発表会「F1 75」をロンドンのO2アリーナで開催しましたが、そんなファンをより楽しませるための取り組みを積極的にしています。レースに関しても、ひと昔前であればF1のセッションの間にサポートレースがちょこちょこ入っていて、コース上をマシンが何も走っていない時間が1〜2時間も続くこともありました。でも今は、スケジュールをギュッと詰めて、ファンを飽きさせないようにしています。さらに、バックステージではDJがライブをしていたり、子ども向けの体験ゾーンがあったり、サーキット全体でイベントを楽しめるようになっています。
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