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【F1】2024年の10大ニュース(後編)「トヨタとホンダのサポートで夢を叶える次の日本人ドライバーは?」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

(10)史上最多「24戦」のグランプリはさらに拡大?

 2024年のF1は史上最多の24戦が行なわれた。初開催のグランプリはなかったものの、中国GPがコロナ禍前の2019年以来の再開となり、2023年は洪水の影響で中止を余儀なくされたエミリア・ロマーニャGPは2年ぶりの開催。これによって史上最多24戦、3月2日から12月8日までという非常に長いシーズンとなった。

 3週連続での開催が3レースもあり、特に最終盤のラスベガス→カタール→アブダビは移動距離も時差も気候差もあり、肉体的にも精神的にもタフなシーズンだった。ドライバーやチーム関係者のなかには体調を崩し、スタッフのローテーション制を採るチームも増えてきた。

 アメリカでのF1熱は、やや落ち着きを見せ始めているとは言われる。しかし依然として、グランプリ期間中の各開催地のホテルは高騰しており、なおかつ空室がほとんどない状況だ。

 また、チケットも超高価なVIP席が用意されるなど、価格はさらに上昇している。それにもかかわらず、チケット入手が困難なレースは少なくない。世界的なオーバーツーリズムと相まって、大混雑に陥っているレースも多々ある。

 2026年に向けてはGM/キャデラックとフォードの参戦も待ち構えており、F1人気再燃の可能性もある。さらにはスペイン・マドリードでの新規開催が決まっているほか、アフリカのルワンダや、アジアではタイやインドネシア、韓国などがF1誘致に名乗りを挙げている。コラピントの登場によってアルゼンチンでの人気が急激に高まり、F1開催に向けた機運も高まった。

 世界的なF1人気の高まりを受けて、政府規模で世界に向けてアピールしたい開催国が多数ある。将来的には24戦を超える開催数も充分に有り得るだろう。

 F1狂想曲は、やや曲調が変わりながらも、まだまだ続きそうな予感の漂う2024年だった。2025年はどんな年になるのか、まだ想像もつかないが、驚異的なスピードとエネルギーで常に進化を続けるからこそ、F1は面白い。

<了>

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

【写真】F1ウィリアムズ育成ドライバー・松井沙麗(13歳)インタビューカット集

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