角田裕毅、予選7位→決勝10位でも冷静 淡々と仕事をこなしてポイントを持ち帰る姿はベテランの風格 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【今季のRBはスタートが弱点】

 コース幅が狭くオーバーテイクが難しいイモラでは、スタートが極めて重要になる。誰もが1ストップ作戦を採るだけに、逆転のチャンスも少ない。

 その大事なスタートで、RB勢は2台揃って発進加速が鈍く、ポジションを落としてしまった。

「間違いなく今日のレースは、スタートでポジションを落としたことでかなり妥協を強いられてしまいましたし、普通にスタートできて(7位のポジションを維持できて)いればもっと楽な展開になったと思います。完璧なレースができていれば、もう少し上の順位でフィニッシュできたかもしれなかった。なので、スタートの改善が必要ですね」

サーキットに隣接するマンションの住民も角田を応援 photo by BOOZYサーキットに隣接するマンションの住民も角田を応援 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る 第4戦・日本GPでもそうだったように、RBはスタートが弱点だ。うまくいくときもあれば、そうでないときもあり、安定性が乏しい。

 チームとしては改善のための試行錯誤を続けており、今回もグリッドにつく直前だけでなく、フォーメーションラップの途中でも複数回に分けてバーンアウト(わざとタイヤを空転させるテクニック)をやり、リアタイヤを芯から温めるトライをしていた。

 それでもクラッチミートの瞬間の蹴り出しはやや弱く、その後の半クラッチからフルエンゲージのフェイズではつながりすぎてホイールスピンが発生するなど、タイヤグリップの読みとクラッチのセッティングを外していた。

 ビークルエンジニアリング責任者のジョナサン・エドルスはこう説明する。

「スタートは、いいときもあればよくないときもあり、コンシステンシー(一貫性)が足りていない点をインプルーブ(改善)する必要がある。いいスタートを決めることはできるが、それを毎回決めることができていない。

 新しいパーツが関係することや、マシンの根本的な部分に対する理解が関係することなら、改善には長い時間を要することになる。だがこれは、クラッチのマッピングやタイヤを準備する手順に対する理解の問題だから、そうではないと思う。複数の部門、複数の人間が関わる課題だから、解決策を見つけ出すのは簡単ではないんだ」

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