F1新時代、2024年の焦点《中編》 角田裕毅4シーズン目で初の表彰台を掴めるか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 新たなスターの誕生がF1を盛り上げるのは確かなことなので、2024年は初優勝や初表彰台が多数生まれることを期待したいところです。

 初優勝候補の筆頭は、ランド・ノリスとピアストリでしょう。マクラーレンが昨年後半に見せた勢いを維持して上位に加われば、初優勝のチャンスは十分にありそうです。

 ノリスはピアストリの勢いに押されて予選でのミスが目立ち、昨年後半戦は5勝5敗という結果でした。カタールGP(第18戦)やアブダビGP(第23戦)など、予選のミスがなければ優勝争いができたのではないかというレースもいくつかありました。

 一方、ピアストリは一発の速さはノリスと同等レベルまで成長しました。しかしながら、経験がモノを言うタイヤマネジメントに関してはまだまだで、レースペースが課題になりそうです。

 初ではありませんが、アストンマーティンの躍進次第では2013年以来11年ぶりとなるフェルナンド・アロンソの優勝も有り得るでしょう。アロンソが勝てば盛り上がることは間違いありません。地元スペインのファンたちはアロンソの「33勝目」を心待ちにしています。

 表彰台経験がまだないのは20人中4人だけで(ローガン・サージェント、角田裕毅、周冠宇、ニコ・ヒュルケンベルグ)、このなかで最も初表彰台に近いのは角田裕毅です。マシンに実力さえあれば、ドライバーとしては表彰台に立つ力はすでに十分あると言えます。

 もちろん、マシンの実力として常に表彰台を争える位置につけるというのは現実的ではありません。ですから課題はそういったチャンスが巡って来た時、しっかりと掴み獲ることができるかどうかでしょう。

(後編につづく)

◆後編>>「国内2冠の宮田莉朋はF2からステップアップの可能性」

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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