「ウイングをつけずに走るしかない(笑)」角田裕毅が自虐するほどストレートが遅いアルファタウリに勝算はあるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【新フォーマットで大荒れ?】

 それでも角田は気負うこともなく、悲観することもなく、リラックスした様子で「いつもどおり戦うだけ」と簡単に言ってのけた。

「僕としては今週末も、いつもと同じように前向きな気持ちで臨むつもりです。タフな条件ではありますけど、全員が同じ条件ですし、ドライバーとしては素早く適応することがすごく重要になると思います。

 ふだんはフリー走行が3回あって徐々に自信をビルドアップしていきますけど、今回は予選までにフリー走行が1回しかありませんし、そのなかで自信をビルドアップする必要があります。チームにとってもセットアップをアジャストする時間はほとんどないので、FP1の最初に用意しているセットアップがいいことを願っています。

 もしFP1のセットアップがうまくいかなかったら、そのまま予選で理想とはほど遠い状態で走るレース週末になってしまうリスクが誰にもあります。でも、セットアップがよければアドバンテージになりますから」

 さらりとそう言いきれるのは、自分にはそれができるという自信があるからだ。開幕3戦で完璧な仕事をこなし、それが当たり前のルーティーンになっているからだ。

 ただでさえ毎年荒れるアゼルバイジャンGPが、今年はスプリントフォーマットでさらに荒れることが予想される。さらには、スプリント・シュートアウトの導入がそれに拍車をかける。

 そんななかでも3年目の角田裕毅は、自信に満ちた走りを見せてくれそうだ。

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