岩佐歩夢のレース歴は驚愕「まだ3年」。レッドブルの英才教育で「F1に上がった瞬間から戦えるドライバーになる」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【先輩・角田裕毅について】

 同じくホンダの育成出身であり、レッドブルジュニアとしてF1に昇格した角田裕毅は、先輩でありライバルでもある。しかし、岩佐は角田のことをそれほど強く意識している様子はない。

「レッドブル(のファクトリー)で時々会うことはありますし、会えばお互い挨拶して『最近何してるの?』みたいな話はしますけど、本当に少ししゃべるくらいで長話はあんまりしないですね。角田選手もF1ドライバーなんで忙しいと思いますし、僕もレッドブルにいる時はだいたい何か用事があって時間がなかったりしますしね」

 その角田のことも岩佐は冷静に評価し、自分にないものを持っているところは素直に参考にしているという。

「ドライバーとしてのキャラクターが全然違うので、初めてのクルマや初めてのサーキットに対するアプローチの仕方も絶対に違いますし、一発の速さをポンと出す能力は角田選手のほうがあると思います。そこはすごく参考にさせてもらっています。

 そこは感覚がモノを言うところだと思うんですけど、その感覚を磨くことはできると思います。どういうアプローチでいくべきなのか、自分の改善点としてF3の時から参考にさせてもらっているので、すごく勉強になっています。

 あとはレースでのアグレッシブさも参考にしています。F1で戦っているドライバーは全員がベンチマークにできると思うので、角田選手も『いいベンチマーク』という存在です」

 シーズン最終戦の直後には、すでに来季に向けた3日間のテストをこなしている。

 チームメイトにはシャルル・ルクレールの弟アルトゥールを迎え、初テストから速さを見せた。その速さはまだ伸びしろが残っていることを教えてくれるものであり、ルクレールの存在は自分のプラスになると岩佐は歓迎する。

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「来季はアユムにF2でチャンピオンを獲らせる」と明言しており、岩佐自身も2023年の目標はもちろんF2のタイトルを獲ることだと断言する。

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