ホンダF1最後のアイルトン・セナ母国レース。目指すは今季初の「4台すべて入賞」 (3ページ目)
「安定した走りをするためにアプローチを変えましたが、それと引き換えにかなりペースを落とさなければなりませんでした。それによってトルコGPまではペースはあまりよくはありませんでしたが、安定した走りができるようになりました。
それと同時に自信を取り戻していくことができ、トルコGPからはバーレーンGPやエミリア・ロマーニャGPの頃のようなノーマルなアプローチに戻して、リスクを冒さないようにしながらペースを上げて行きました」
それが結果に結びついたのが、トルコGPの予選であり、アメリカGPの決勝だった。
ソフトタイヤを履いてでも予選で成功体験をさせて自信をつけさせようというチームの配慮もあり、角田は3戦連続でQ3に進出を果たしている。
「まだ100%ではありませんが、バーレーンGPの頃に近いくらいの自信は取り戻しましたし、この経験を踏まえてまとめ上げることができています。間違いなくコントロールできている度合いは上がっていますし、マシンの限界近くまで攻められるようになっています」
わずか1時間の走行のみで挑む予選でどこまでポテンシャルを発揮できるかという点にも、このシーズン後半戦の角田の成長が反映されるだろう。そして仮にそこでうまくいかなかったとしても、落ち着いてひとつずつポジションを上げていく心の余裕が今の角田にはある。
アイルトン・セナの母国で、風はホンダ勢に吹くのか。
「FP1を走行しただけで予選に入り、TD(技術指示書)でエンジンモードの制限をかけられてしまいますから、我々は短い時間のなかでパワーユニットのセットアップを決めなければなりません。チームもドライバーもしっかりと準備を整えて、今度こそ4台入賞・4台完走を目指していきたいと思っています」(田辺テクニカルディレクター)
今季まだ一度も達成したことのない目標へ向かって、ホンダ勢が走り出す。
ブラジルGPでF1マシンにまたがる美人グリッドガール
3 / 3