レッドブル・ホンダ5連勝でF1界を席巻。メルセデスAMG代表も完敗を認めた (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 そのなかでもガスリーは9位まで挽回して見せたが、角田は12位フィニッシュ。それも最終ラップに目の前で2台が絡んでの結果で、実質的には14位と大きく後れを取った。

 決勝ロングランでのタイヤマネージメントもさることながら、12周目のピットアウト直後にアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)とニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)を素早く抜いていったガスリーに対し、角田はジョビナッツィがピットインする29周目まで抜くことができず、この間にガスリーには7秒遅れ、ミディアムスタート勢にも逆転される大きな原因を作ってしまった。

「予選まではよかったんですけど、レースペースは最悪でした。予選がよかっただけにフラストレーションを感じます。タフなレースになるとは思っていましたけど、ここまでひどいとは思っていませんでした。なぜ、そうなってしまったのかはわかりません。とにかくペースに苦しみましたし、タイヤマネージメントも本当にトリッキーでした」(角田)

 2回のピットイン時に2回ともにピット入口の白線を踏み越えてしまい、5秒加算ペナルティを2回科されてしまった。それがなくても順位は変わらなかったが、2回目のピットストップをする前に「白線カットに注意して」とチームからひと言あれば、2回目のペナルティは避けられたかもしれない。ただ、前戦でも同じようにカットしていたもののペナルティは科されず、角田自身はカットしていない感覚でいたようだから、結果は同じだったかもしれないが......。

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 ガスリーとの間に大きな差が開いてしまった原因は、このペナルティではない。レースでのタイヤマネージメントと、ここぞというところでの思い切りのいいアタックの差だ。ソフトタイヤスタートの2ストップ作戦は、ガスリーのように速さと強さがなければ成立しない難しい戦略だった。

 この経験から学び、さらなる成長へとつなげられるか。それともまた焦りから空回り、負のスパイラルに陥ってしまうか。角田にとっては試練のシーズン前半戦が正念場を迎えている。

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