2021.07.16

角田裕毅、イギリスGPで話題の「スプリント予選」の影響は「マシンの速さを引き出す点で不利」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 第10戦イギリスGPの舞台シルバーストン・サーキットは高速コーナーが連続し、鈴鹿と並ぶ屈指のドライバーズサーキットのひとつである。F1ドライバーたちがF1マシンの空力性能を存分に堪能でき、心待ちにしている場所だ。

 初めてF1マシンでここを走る角田裕毅にとっても、それは同じだろう。これまでにFIA F2やFIA F3、ダラーラの旧F3マシンで走ったことはあっても、F1マシンの高速コーナーリング性能はケタ違いだ。

角田裕毅は初めてF1マシンでシルバーストンを走る角田裕毅は初めてF1マシンでシルバーストンを走る この記事に関連する写真を見る 「シルバーストンは高速コーナーが連続するサーキットなので、F1マシンで走るのが楽しみ。とくにマゴッツ〜ベケッツ〜チャペルの複合コーナーがF1マシンではどうなるのか、とても楽しみです。シルバーストンもF2のフィーチャーレースでは3位に入りましたし、いい記憶のあるサーキット。F3時代からかなり走り込んでいるのも、ポジティブな要素です」(角田)

 例年なら、イギリスGPに先立ってドライバーたちから聞こえてくるのは、そんな声ばかりだ。

 しかし、今年は違う。土曜の午後に『スプリント予選』と呼ばれる100kmのレースが導入され、これによって決勝のスターティンググリッドを決める。話題はそこに集中している。

 20台のマシンによるバトルや、もっとも順位変動の起きやすいスタートシーンを、土曜日にも演出する。そういう意図により、より幅広い層のファンに向けたショーアップとして試験的に導入されることになったアイデアだ。

 それ自体が盛り上がるかどうかは、やってみなければわからない。端的に言えば、日曜の決勝レースの3分の1の距離を好きなタイヤでピットストップなしで走り切る内容なので、それ自体は非常にシンプルなものである。

 問題は、スプリント予選そのものではない。その導入によってガラリと変わる、レース週末のスケジュールだ。

「金曜、土曜とそれぞれに大きなイベントがあって、F1にとっては興味深いフォーマットの導入になる。ただ、僕にとってフリー走行が1回しかないというのは、マシンのセットアップを煮詰めてマシンの速さを引き出すという点などで不利だと思います」(角田)