レッドブル・ホンダ5連勝でF1界を席巻。メルセデスAMG代表も完敗を認めた (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「(データ分析から)明らかなのは、彼らのERSのディプロイメントが非常に優れていることだ。我々よりも電気エネルギーがあるように感じられる。そしてドライバビリティにも差があり、我々はパワーを伝達する際のキック(駆動)に少し苦しんでいる。

 これは加速フェイズにおいて非常に重要な要素だ。パワーユニットの性能だけではなく、タイヤのパフォーマンスをいかに使うかという問題でもある。我々としてはその点を突き詰めることで、さらなるパフォーマンスが得られるのではないかと考えているところだ」

 車体、パワーユニット、そしてタイヤの使い方。複雑に絡み合った現代F1マシンを高い次元でまとめ上げ、速さを発揮する方法を見つけ出していた。クリスチャン・ホーナー代表は言う。

「マックスもレースペースを完璧にコントロールし、ここ数戦は完全にレースを支配している。我々はマシンをうまく機能させることができるウインドウ(セットアップの範囲)を見つけることができたんだ。(次戦の)シルバーストンでもそのウインドウ内でマシンを走らせることができるのを願っているよ」

角田裕毅はレースペースに苦しみ12位フィニッシュ角田裕毅はレースペースに苦しみ12位フィニッシュこの記事に関連する写真を見る 一方の角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、同じ場所での2週連続開催を最大限に生かして、さらなる成長につなげたかった。

 しかし、アルファタウリのマシンは1週間前よりも涼しいコンディションと柔らかいタイヤにうまく適応できず、マシンバランスに苦労させられた。それでも、予選ではピエール・ガスリーに続いてQ3進出を果たし、7位に滑り込んでみせた。

 だが決勝では、Q3進出を優先して選んだソフトタイヤスタート(Q2タイム記録時に使用したタイヤでスタートする規定)が大きく裏目に出た。ソフトタイヤは12周しか保たず早々にピットインを強いられ、2ストップ作戦を採らざるを得なかった。

 決勝戦略を優先してミディアムタイヤでQ2敗退となったフェラーリ勢や、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)らに逆転された。ソフトスタートは完全なる失敗だった。

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