ハミルトン不在の大チャンス。レッドブル・ホンダは今度こそ勝てるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 現状、シーズン中の開発が凍結されているパワーユニットは、メルセデスAMGが最強で、そこからやや後れてホンダだと言われている。ということは、全開率の高いサーキットレイアウトで戦う今週末は、先週のバーレーンGPよりも苦しくなる可能性が高いと考えるのが当然だ。

 マックス・フェルスタッペンはこう語る。

「このレイアウトが追い風になるのは、パワーのあるマシンだけだよ。僕らにとっては先週よりも少し難しい週末になると予想している。このコースレイアウトではラップタイムはすごく僅差になるだろうから、僕らよりも後ろの中団勢との差が縮まる。簡単な週末になるとは思っていないよ」

 対メルセデスAMGで厳しいだけでなく、レッドブルにとっての"稼ぎどころ"であるコーナー数が少ないということは、中団グループのマシンに対しても差をつけにくいことを意味する。つまり、モンツァのレースがそうだったように、中団グループの中に埋もれてしまう可能性もあるというわけだ。

 ただし、モンツァの時は車体がまだ問題を抱えていた。それが徐々に改良されてきているだけに、アレクサンダー・アルボンは「モンツァのような惨劇(フェルスタッペン=リタイア、アルボン=15位)は起きないだろう」と言う。

「モンツァの時は車体もよくなかったけど、そこからマシンは改良が進んで、先週もいいフィーリングだった。だから今週はモンツァよりもいい展開になることを期待しているよ」

 実際、全開率が高いとはいえ、タイトコーナーが4つあり、今週末はモンツァほど極端にダウンフォースを削ってストレート重視のセッティングにはしないと見られている。

◆モンツァでF1初優勝を遂げたピエール・ガスリー>>

 以前なら、パワーサーキットでは気合いを入れてセッティングを変え、エンジンからパワーを引き出すこともできた。だが、シーズン後半戦に導入された予選・決勝シングルモードの規定によって、ピンポイントでの攻めたセッティングで勝負をかけることができなくなっている。パワーユニットメーカーとしてはやれることが減り、FIAの当初の狙いとは逆に、決勝でのパフォーマンス差は広がっているようなところもある。

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