ホンダは歓喜、トヨタは悪夢。スーパーGT、最終戦の大どんでん返し
2020年のスーパーGTシリーズ最終戦。今年のGT500クラスはホンダ、トヨタ、日産の実力が拮抗し、ランキング上位5台は優勝すれば無条件で年間王者決定となる状況のなか、富士スピードウェイで決戦を迎えた。
チャンピオン獲得の可能性が高い上位5台のポイント差は、わずか「3」。そのため、予選からさっそく篩(ふるい)がかけられた。
喜びを爆発させる山本尚貴(左)と牧野任祐(右) まず予選では、ランキング1位のKEIHIN NSX-GT(ナンバー17/塚越広大/ベルトラン・バケット)と5位のARTA NSX-GT(ナンバー8/野尻智紀/福住仁嶺)がQ1で敗退し、王者争いから一歩後退。ポールポジションはランキング2位の平川亮が駆るKeePer TOM'S GR Supra(ナンバー37)が獲得した。
そして決勝戦。6番グリッドからスタートした3位のMOTUL AUTECH GT-R(ナンバー23/松田次生/ロニー・クインタレッリ)が1周目で攻め、一気にトップへと浮上。ただ、序盤はレースをリードするも、徐々に順位を下げていった。
そんななか、序盤から順調な走りを見せたのが、37号車(平川亮/山下健太)のトヨタGRスープラだった。レース後半に差しかかった40周目の段階で後続に対して16秒ものリードを築き、シリーズチャンピオンまであと一歩と迫った。
しかし、それに待ったをかけたのが、ランキング4位のRAYBRIG NSX-GT(ナンバー100/山本尚貴/牧野任祐)だ。
7番グリッドからスタートした100号車は、前半を担当した牧野が2番手までポジションアップさせると、後半の山本は2番手争いを繰り広げながらタイヤと燃費を温存。レース終盤に一気にスパートをかけて逆転する、という作戦に出た。
残り20周あたりから、100号車は追い上げを開始。1周1秒近いペースで37号車に接近し、残り5周を切ったところで、トップとの差を3秒にまで縮めた。
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