ホンダは大丈夫なのか? MotoGPはKTMが2回目の優勝で勢力図に変化あり (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 と、ゴール直後に感極まった様子で話すのも当然なほどの激しいバトルだった。

 KTM陣営では、2週間前のチェコGPでファクトリーチームのルーキー、ブラッド・ビンダーが初優勝を飾った。そして今回は、サテライトチームに所属するオリベイラが優勝。つまり、彼らはチェコGPからレッドブルリンクの2連戦へと続いた3週連続レースで、2勝を達成したことになる。

 KTMは17年に最高峰クラスへの参戦を開始した際、コンセッション(マシン開発面などで新規参戦メーカーに与えられる有利な待遇)を受けていたが、チェコGPと今回の優勝により、その条件を失うことになった。これにより、いわば〈ゲタを履かせてもらっていた〉待遇がなくなり、来年からはホンダやヤマハ、スズキ、ドゥカティなどと同一条件で戦うことになる。要するに、「MotoGPに参戦する一人前のチーム」としてKTMはようやく認められることになったというわけだ。

 自分たちのホームコースで、しかも、オリベイラとエスパルガロの1−3フィニッシュというKTM初のダブル表彰台で達成したのだから、チームや技術者たちの達成感もひとしおだろう。

 さらにいえば、今回のレースリザルトは、運もKTMに大きく味方した。

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