2020.07.03

「今季F1は絶対おもしろい」超A級の三つ巴に名カメラマンが太鼓判

  • 川原田剛●取材・構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

世界的F1カメラマンの本音対談 後編

新型コロナウイルスの影響で開幕が延期されていたF1世界選手権の2020年シーズンがいよいよ始まる。開幕戦の舞台となるのは、オーストリアのレッドブルリンク。無観客でのイベントになるが、オーストリアを皮切りに9月初旬のイタリアGPまでヨーロッパ各地を転戦し、10週間で8レースを行なうことが決定した。
そこで約30年にわたってF1を撮影してきた世界的なF1カメラマン、熱田護氏と桜井淳雄氏のふたりに今シーズンの見どころを聞いた。

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今年2月のテスト走行時。ホンダのパワーユニットを搭載したレッドブルマシンが好調だった(桜井淳雄・撮影)

●ルイス・ハミルトンとメルセデスのチームの一体感がないように見えるとのことでしたが、なぜそう思うのですか?

熱田 過去、ミハエル・シューマッハやアイルトン・セナも勝ちまくっていた時代がありましたが、優勝するとチームのメカニックやエンジニアは抱き合って大喜びしていました。もちろんメルセデスのスタッフもハミルトンが優勝し、彼が、スタッフのもとに来た時には喜んでいます。それでもハミルトンがウイニングランをしている間、メルセデスのスタッフは淡々として、雑談なんかしています。それって、ハミルトンの求心力の欠如というか、チームの全員がハミルトンの方を向いて彼のために頑張ろうという空気になっていないのではないかと勘繰ってしまう。

もちろん、ハミルトンは常に勝ちたいだろうし、チャンピオンになりたいと思っているでしょう。しかし彼の情熱がチームを突き動かし、彼のためにチームが動いているという雰囲気を感じないんです。メルセデスの組織力やエンジニアリング力が明らかに他のチームよりも上回っており、そこにたまたまハミルトンが乗っているように見えてしまう。
F1カメラマン歴約30年の桜井淳雄氏(左)と熱田護氏