2020.07.02

F1を撮影して30年。2人のベテランカメラマンがぶっちゃける今季展望

  • 川原田剛●取材・構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

世界的F1カメラマンの本音対談 前編

新型コロナウイルスの影響で開幕が延期されていたF1世界選手権の2020年シーズンがいよいよ始まる。開幕戦の舞台となるのは、オーストリアのレッドブルリンク。無観客でのイベントになるが、オーストリアを皮切りに9月初旬のイタリアGPまでヨーロッパ各地を転戦し、10週間で8レースを行なうことが決まった。
そこで約30年にわたってF1を撮影してきた世界的なF1カメラマン、熱田護氏と桜井淳雄氏の2人に今シーズンの見どころを聞いた。

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2019年シーズン、マックス・フェルスタッペンがドライブするレッドブルのマシン(熱田護・撮影)
●オーストリアGP(決勝7月5日)からいよいよ今シーズンのF1が始まります。まずカメラマンとして現場取材に行けるのですか?

F1カメラマン歴約30年の桜井淳雄氏(左)と熱田護氏
桜井 残念ながら僕らは行けません。開催国オーストリアの入国制限に加え、F1を主催する国際自動車連盟(FIA)のメディア制限もあります。無観客レースとなる開幕戦は、限られた人数のメディア関係者しか入れないことになっています。

熱田 現状ではオーストリアでの2連戦の後にハンガリー、イギリス(2連戦)、スペイン、ベルギー、イタリアの8戦目までのスケジュールは発表されています。第8戦のイタリアまでは取材へ行くのは難しいと思っていますが、欧州連合(EU)は7月1日から日本やオーストラリアなどの国々の渡航制限を段階的に緩和すると発表しています。 

 だから、9月上旬に開催されるイタリアGPが終わる頃には、かなり規制は緩和されている可能性があり、その後は取材のチャンスがあるかもしれません。とにかく行けるのであれば1戦でも多く行きたい。でも、こればっかりは僕らが頑張ってもどうなるものでもないので......。

桜井 そうですね。F1に限らず、スポーツ取材は、選手が激しく身体を動かし、汗をかく場所に行くわけですから、そう簡単に許可が出ないのかなと思っています。しかもF1は他のスポーツと異なり、イベントのスケールが違います。関わっているスタッフの数、会場の規模、ゲストや観客、メディアの数などあらゆるものが桁違いです。