2019.12.05

レッドブル・ホンダが最終戦で証明。
来季タイトルは近づきつつある

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「今日は戦略やレース運営全般というよりも、スピードで速さを見せつけられました。以前から言っているように、まだ我々はパッケージとして彼らに追いついていない。サーキットによってはこういう差になるということですね」

 マックス・フェルスタッペンが最終戦アブダビGP決勝を2位で終えて、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは悔しそうにそう語った。

レース後に健闘を称え合うフェルスタッペンとハミルトン フェラーリをコース上で抜き返して寄せつけず、完全なひとり旅のレースだった。しかし、優勝したルイス・ハミルトンとは16.772秒もの差が開いていた。ブラジルGPで彼らを完全に打ちのめし歓喜した直後だっただけに、再びまざまざと現実を見せつけられた感があった。

 さらに追い打ちをかけたのは、ラグの問題だ。

 ピットストップを終えた直後から、ドライバーがスロットルペダルを踏んでもそれに呼応してトルクがスムーズに出ていかない症状が発生した。トルクに"穴"があると言われる状態。全開で加速している途中にそれが瞬間的に失われるため、エンジンブレーキと車体の空気抵抗が大きいF1マシンでは、「ハンドブレーキ(サイドブレーキ)がかかったような感じになる」とフェルスタッペンも表現した。

「スロットルにトルクの"穴"があった。トルクが出るのが少し遅れてくるような感じ。思ったとおりにトルクが出ない状態はあまり好ましいことじゃない。(走行中には)直すことができなかったから、問題を抱えたまま走らなければならなかった。でも、それがあろうとなかろうと、最終的な結果に影響はなかっただろうけどね」

 フェルスタッペンはそう語ったものの、ラップタイムのロスはあったともいい、ひとり旅のレース展開でなければポジションを失うおそれもあった。

 ホンダのエンジニアはフェルスタッペンに無線で指示を送り、ステアリング上のボタンでセッティングをいろいろと変更してもらったという。ただ、そのなかで最も違和感なく走れるモードを使う対処療法しかできなかった。