2019.11.06

レッドブル・ホンダ、3位でも嘆き。
戦略でも純粋な速さでも完敗だった

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブル・ホンダが1カ月半ぶりに表彰台に上がった。

 予選はポールポジションから0.067秒差の3位。決勝はトップから5.002秒差の3位。その結果だけを見れば、シーズン後半戦に低迷していたレッドブル・ホンダの速さが復活したようにも思えた。

レッドブル・ホンダの速さが復活したように思えたのだが...... しかし、チームの見方は違った。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは表彰台のあとにもかかわらず、厳しい表情でこう述べた。

「対メルセデスAMGで見れば、今日は完全についていけない状況でした。1ストップと2ストップに分けてきた2台のメルセデスAMGに対して、我々は勝ったボッタスと同じ2ストップ作戦でしたが、2台ともに前に行かれてしまった。戦略的な問題というより、実力の差による結果かなと思います」

 メルセデスAMG勢と接戦を演じているように見えたが、実際は違った。

 早々にタイヤがタレて13周目にピットインしたマックス・フェルスタッペンに対し、メルセデスAMGは首位バルテリ・ボッタスが戦略を変更してピットインし、確実にフェルスタッペンの前を抑える作戦に出た。

 そして、3位のルイス・ハミルトンは1ストップ作戦のまま首位に浮上して走り続け、最終的に残り4周でボッタスが逆転して優勝。しかし後方のフェルスタッペンはしっかりと抑え切って、メルセデスAMGはワンツーフィニッシュで締めくくった。

 つまり、レッドブル・ホンダは同じ2ストップ作戦のメルセデスAMGに敗れ、1ストップ作戦のメルセデスAMGにも負けた。これは戦略ではなく、純粋な速さでの敗北だ。

「バックストレートで黄旗が出ていたせいでDRS(※)が使えなかったからね。あれがなければ(ハミルトンを抜いて)2位になれたと思う」

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 フェルスタッペンはそう語ったが、メルセデスAMGはそれも織り込んだうえで最後の数周を戦っていた。ターン12で追い抜きが禁止されているのであれば、そこでエネルギーを使う必要はなく、追い抜きの可能性がわずかに残るターン1やターン11に全エネルギーを集中すればいいからだ。ターン12で抜けそうに思えたのは、メルセデスAMGがあえてそうしていたからにすぎない。