レッドブル・ホンダ、再度スペック4投入。
5グリッド降格なら挽回できる

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 F1第16戦・ロシアGPに臨むホンダは、スペック4の新品を再度投入することを決めた。

 夏休み明けにスペック4を投入した当初は、スペック2とスペック3を含めた手持ちのコンポーネントをやりくりし、シーズン末まで走り切ることを想定していた。しかし、ここで方針を転換したのは、最後まで全開でスペック4で戦うためだ。

レッドブル・ホンダは残り5戦、スペック4で戦うレッドブル・ホンダは残り5戦、スペック4で戦う「以降のシーズン後半戦に向けて、パワーユニットの戦闘力を確実に確保することを考えた結果、パワーユニットのアロケーション(配分)を考慮して投入することになりました。前からチームと議論して準備は進めていたのですが、最終決定したのはシンガポールが終わってからです」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明した。

 それだけスペック4の進歩が大きく、チーム側もそのパワーを余すところなく使いたいという要望が強かったのが、方針を転換した理由のひとつ。

 それに加えて、金曜フリー走行をスペック2やスペック3などで耐え忍ぶのではなく、3日間を通してスペック4で走ることによって、各サーキット特性やドライバーの個性に合わせたセッティングのファインチューニングが可能になるメリットもある。これまで何度か経験してきた、予選本番でのフルアタックで思わぬ挙動に直面するといった事態を減らすことができるわけだ。

「金曜に旧スペックを使う方法もありますが、予選・決勝に照準を合わせて金曜からきちんとパワーユニットのセットアップを進めることを考えると、やはり極力スペック4で固めたい。個体ごと、サーキットごと、ドライバーごとに微妙な差はありますから、できるだけ3日間を同じスペックで走りたいです」

 実際に走行したスペック4に想定以上のダメージが及んでいたということはなく、パフォーマンスもダメージも想定どおりだという。

 手持ちのコンポーネントで最後まで走り切ろうと考えていたのは、これ以上のグリッド降格ペナルティを避けたいという思いがあったからだ。

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