「F1を目指す女子高生」小山美姫が20歳に。この2年の成長は? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 彼女自身はそう言うが、2年前に会った彼女は、性格は真っ直ぐで、言葉ではその強い思いを口にしていても、ステアリングを握れば自信と不安の狭間で怯えながら走っているところがあった。思いどおりにいかず、涙を流すこともあった。

 しかし、この2年間で彼女は変わった。

 自分では気づいていないかもしれないが、周りの人々を信頼することで学び、自分自身にも自信が持てるようになった。だから、「自分はまだまだだ」と認めることができる。

 挫折し、それを乗り越えてまた成長し、新たな結果を出した。

 F1という目標はあまりにも遠すぎるが、それでもその思いはさらに強くなった。漠然とした目標ではなく、一歩ずつ自分の成長が見えてきたからだ。

「やはり、F1に乗りたいという思いは変わりません。昨年に続き今年も競争女子やN-ONEオーナーズカップ、スーパー耐久などさまざまなクルマに乗る機会をいただき、いろいろな魅力に触れてもっといろんなクルマに乗ってみたいし、GTなどハコ車にも関心が広がってきました。

 それでも乗っていて一番楽しいのは、やはりフォーミュラです。フォーミュラでステップアップしていきたい。それが私の意志であり、願望です。そして記録はもちろん、記憶にも残るドライバーになりたい。魅力ある走りと抜群の速さで、どんなレースでもひと際輝く存在になりたいと思います」

 輝くような力強さで回り始めた小山美姫の歯車は、これからどのような光を見せてくれるのか。

 次のFIA F4菅生ラウンドは9月14日~16日に行なわれる。

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