2018.08.14

ロレンソ、ランキング14番手から急浮上。
2番手ロッシの背中捕らえた

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 MotoGP第11戦・オーストリアGPの舞台レッドブル・リンクは、ドゥカティが強さを発揮するコースだ。当地でのレースが復活した2016年以降は毎年優勝を飾っており、今年もやはり存分に強さを見せつけた。

激しいバトルを演じたホルヘ・ロレンソ(左)とマルク・マルケス(右) 今年の勝者は、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)。第6戦・イタリアGPと第7戦・カタルーニャGPに続く、今季3勝目である。僅差の2位は、チャンピオンシップをリードするマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。マルケスは昨年もアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)を相手に、最終ラップの最終コーナーまで熾烈なバトルを続けたが、今年はロレンソとの一騎打ちという展開になった。

 そのドヴィツィオーゾはというと、マルケスとロレンソを相手に、レース序盤から予想どおり三つ巴のバトルを繰り広げたが、リアタイヤ右側の消耗が激しく、中盤以降は一気にペースを落として、今年は3位でレースを終えた。

 今回のレースでは、優勝したロレンソ、2位のマルケス、3位のドヴィツィオーゾは、それぞれタイヤ選択が三者三様に異なっている。ロレンソのリアタイヤはソフトコンパウンド、マルケスはハード、そしてドヴィツィオーゾはミディアム、というチョイスだった。

 ソフト、ミディアム、ハードという3種類のコンパウンドの違いは、大まかにいえばグリップ性能と耐久性の差と考えればよい。ソフトコンパウンドは初期からのグリップ性能に優れる半面、摩耗性も高い。ハードコンパウンドは十分なグリップ力を引き出すまでにある程度の時間を要するため、初期の作動性では一般的にソフトよりも劣るものの、その分だけ耐久性にまさる。ミディアムはその中間、という具合だ。

 ポールポジションスタートのマルケスは、「今日の目標は、終盤でドゥカティ1台との争いに絞り込むことだった」とレース後に明かしたが、そのために序盤からハイペースで飛ばし、相手のタイヤ消耗を誘うという作戦に出た。それを察したソフトコンパウンドのロレンソは、「マルクはふつう、序盤から攻めるようなことをしないライダーだけど、今日は彼のペースやラップタイムを見ていて、攻めるつもりだということがわかった」と振り返った。