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ヤマハはどうしちゃったのか?
昨年6月以来、MotoGPを勝てず

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 またしても圧勝である。アンダルシア地方南部にあるヘレス・サーキットで開催されたMotoGP第4戦・スペインGPで、ディフェンディング・チャンピオンのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が自身とホンダRC213Vの強みを遺憾なく発揮してシーズン2勝目を達成した。

2連勝でランキングでもトップに立ったマルク・マルケス(左)2連勝でランキングでもトップに立ったマルク・マルケス(左) マルケスは日曜午後の決勝レースを2列目5番グリッドからスタート。序盤周回では先頭集団のなかでしばらく様子を見た後、8周目の最終コーナー立ち上がりでトップに立った。そして数周ほど様子をうかがった後に機を見て後続を一気に引き離しにかかり、全25周のレースの終了直前には7秒以上もの大差を築き上げた。

 この大きなリードは、背後で2位争いをしていた3台が多重クラッシュで全滅したために、そのさらに後ろを走行していた5番手走行の選手とのタイムギャップ、という結果になったことを割り引くとしても、マルケスが圧倒的な優位でレースをコントロールしていたという事実は揺るがない。

 ラップタイムの推移を見ても、2位争いを繰り広げていた選手たちが1分39秒中盤から後半で走行していたのに対して、マルケスは1分39秒台前半を刻み続けており、周回ごとに彼らを引き離す傾向にあったことはこの数字にも明らかだからだ。

「ここヘレスで勝てて、欧州ラウンドのスタートには最高の形になった。今回はスピードが左右したレースではなく、正確さと各ラップに適切な判断をしっかりできたことが勝因になった」とレース後に語ったマルケスの言葉が、この日の展開を端的に言い表している。

「このコースでは皆が一発タイムを出せるけど、レースディスタンスについてはまた別の話。25周は長いので、タイヤのマネージメントが大事になってくる。序盤と終盤ではバイクのバランスも変わってくるから、乗り方も変えていかなければならない」

 トップカテゴリーで戦う選手なら、マルケスに今さらそんなことを言われなくても誰しも理解していることだろうが、それを的確なタイミングで「正確」かつ「適切な判断」をできていたかどうかが勝負と明暗を分けた、ということなのだろう。いずれにせよ、これら上記の言葉からも、マルケスはレースに向けて十分な自信を持って臨んでいたことがよくうかがえる。

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