ヤマハはどうしちゃったのか?
昨年6月以来、MotoGPを勝てず (2ページ目)
今季2勝目を挙げたことで、ランキングでも首位に立った。だが、「まだ4戦終わっただけで、これからレースはたくさんあるから」とマルケス自身が話すとおり、シーズン展開はまだ予断を許さない。
ホンダ陣営全体のパッケージのまとまりのよさを考えると、チームメイトのダニ・ペドロサや同じくファクトリーマシン勢のカル・クラッチローが表彰台争いに絡んでくることは確実だろう。さらに、今回はノーポイントで終えたものの、コース特性的に苦戦することの多かったヘレスで高いパフォーマンスを発揮していたドゥカティファクトリーが、昨年からさらに進歩を見せていることにも、おそらく異論の余地はないだろう。
また、今回は幸運に恵まれた表彰台という側面もあるとはいえ、スズキも結果として3戦連続で表彰台に登壇している。もちろん、ただの偶然な幸運で3連続表彰台を獲得したわけではない。
幸運にも射程距離というものがある。その圏内を安定して走れているからこその、3戦連続3位という結果だ。これらのリザルトを得たことで今後の開発に拍車がかかり、それがさらにライダーとチームのモチベーションを刺激する好循環に持ち込むことができれば、シーズン展開はさらに面白いものになるだろう。
気になるのが、ヤマハファクトリーの苦戦傾向だ。昨年の第9戦以降、ホンダとドゥカティのライダーのみが優勝しているという事実は、この2メーカーが他を圧するほど図抜けているというよりも、むしろヤマハファクトリーの苦戦と読み取る方向で解釈したほうが適切であるように思える。
その意味で、次のフランスGPは今季の帰趨(きすう)を予想するいい指標になるかもしれない。
ルマン・サーキットは伝統的にヤマハが強さを発揮してきたコースで、過去10年の結果を見ても、優勝回数はホンダの3回に対してヤマハが7回という圧倒的な実績の違いがある。実際に昨年のレースでも、マーベリック・ビニャーレスが優勝を飾っている。
それだけに、現在のヤマハファクトリーの状況を推し量る水準点となるであろうバレンティーノ・ロッシとビニャーレスの次戦での走りには、大きな注目が集まる。
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