ピットに「滑り込みセーフ!」。インディ界の「幸運男」が今季2勝目 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 レース再開後にイエローは再び出されることなく、全員がもう1回のピット作業をこなしてゴール。「降る、降る」と言われていた雨もとうとう落ちてこなかった。序盤にして後方集団に埋もれたカストロネベスらに、狭くてオーバーテイクの難しいストリートコースで再浮上するチャンスはついに巡ってこなかった。

 ペンスキー勢は金曜日の走り始めから速かった。そこで彼らはQ1をハードコンパウンドのブラックタイヤだけでクリアすることに挑戦する。どんなコースでもソフトコンパウンドのレッドタイヤが予選では有利なのだが、3段階の予選で使用が許されるのは2セットだけ。そこで、Q3に新品のレッド1セットを残して優位を得ようと、Q1をブラックで切り抜けることにトライしたのだ。

 ところが、これに成功したのは3人だけ。ニューガーデンはタイムが上がらずQ1の最後にレッドを投入してQ2進出を確実にしなければならなかった。そのQ2では、終盤にアクシデントがあって赤旗が出された。もしそのまま終了していたら、カストロネベスはQ2もブラックだけで通過してしまうところだった。しかし、1周だけアタックできる時間を残して予選は再開され、レッドでの一発勝負になった。カストロネベス、パワー、パジェノーは問題なくQ3へ駒を進めたが、ニューガーデンは7位でトップ6入りに失敗した。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る