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英国人記者がF1ホンダに喝!
「もっと本気でやれ。やればできる」 (3ページ目)

  • photo by GettyImages

 一方、レッドブルのニューマシン、RB13は「やや期待外れ」というのが正直な印象だ。ルノーエンジンの性能は確実に向上しているように見えるが、肝心のマシンはというと「平凡」で、細部のデザインにも目新しさはあまり感じられない。むしろ、同じルノーエンジンを搭載し、レッドブルのジュニアチーム的な位置づけであるトロロッソのニューマシン、STR12の方が遥かに洗練されたデザインで潜在的な戦闘力も高そうだ。

 実際、チャンピオンチームのメルセデスが、このトロロッソのマシンに刺激を受け、開幕までにいくつかのアイディアを「コピー」していたほど。ドライバーのレベルには両チームに差があるものの、この先、開発が順調に進めばトロロッソがレッドブルの上に来る展開も、十分にあり得ると思っている。

 次に、今年の「チャンピオン争い」を占ってみよう。フェラーリの復活が本物ならば、タイトル争いの本命は言うまでもなくハミルトンとベッテルのふたりだ。とくにようやく「戦えるマシン」を手に入れたベッテルのモチベーションは高いはず。今シーズンの戦いがこのふたりを中心に展開することは、ほぼ間違いないだろう。

 だが、そこで注目したいのが、彼らと同じメルセデスとフェラーリに乗る「フィンランド人」だ。今年からメルセデスに移籍したバルテリ・ボッタスと、フェラーリで3年目のシーズンを迎えるベテラン、キミ・ライコネンのふたりである。

 テストと開幕戦を見る限り、ボッタスの才能は疑いようがない。彼は新しいチームとマシンを学びながら、着実に進歩している。チームメイトとの微妙な心理戦に長けているハミルトンだが、良くも悪くもクールなフィンランド人のボッタスは、ハミルトンにとっても脅威のはず。また、メルボルンではまだ「寝ていた」ように見えたライコネンは、いつ何がきっかけで「目覚める」のか分からず、しかも、ひとたび目覚めると驚異的な速さを見せるだけに油断できない。

 ハミルトン対ベッテルという本命の争いに、彼らと同じマシンを駆る、このフィンランド人ふたりがどう絡むかがチャンピオン争いの鍵を握ることになる。

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