レクサス優位予想の今季スーパーGT。
日産、ホンダの反撃はあるか

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

2017年 SUPER GTプレビュー@GT500編

 4月8日~9日、日本最高峰のレースであるスーパーGTシリーズが岡山国際サーキットで開幕する。今年も「GT500」「GT300」の2クラス合わせて40台以上がエントリーしているが、そのなかでもホンダ、日産、レクサス(トヨタ)が専用マシンを開発して参戦するGT500クラスの勢力図は、昨年よりも大きく変わることになりそうだ。

昨年王者の「DENSO KOBELCO SARD LC500」昨年王者の「DENSO KOBELCO SARD LC500」 2014年からGT500クラスでは、ドイツツーリングカー選手権と車両規則を統一した。これにより、3メーカーとも新しいマシンを用意して参戦している。2014年、2015年は松田次生/ロニー・クインタレッリ組の「MOTUL AUTECH GT-R」が2年連続でシリーズチャンピオンを獲得したのをはじめ、日産勢がGT500クラスで大活躍。2016年はチャンピオンを逃したものの、3年間で開催された全24戦中12勝を挙げた日産勢が「最強の名」をほしいままにしていた。

 ところが2017年は、車両レギュレーションなどが大幅に変更された。年々加速するスピード競争に歯止めをかけるためである。その結果、前後の空力パーツのサイズ等を変更したことによって、昨年までのマシンと比べてダウンフォースは約25%ダウンとなった。異常なまでの速さを見せていたコーナリングスピードは落ち、ラップタイムも遅くなると予想されている。

 また、年間で使用できるエンジン数も、昨年までの3基から今年は2基に変更。年間8戦の半分にあたる4戦をひとつのエンジンで乗り切らなければいけない。ただ、8月下旬に鈴鹿サーキットで行なわれる第6戦は通常より長い1000kmレースとなるため、第5戦までを1基目のエンジンで戦おうと考えているチームもあるようだ。

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