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英国人記者がF1ホンダに喝!
「もっと本気でやれ。やればできる」 (2ページ目)

  • photo by GettyImages

 こうして見ると、当初の狙いどおり、今年のF1は「コーナーで速く」、ドライバーにとっては肉体的にもハードで、わずかなミスも許されない「ドライビングが難しい」マシンに仕上がっていることは間違いなさそうだ。同じ戦闘力のマシンなら「ドライバーの差」がより見えやすくなったともいえる。

 続いて、2017年用マシンの仕上がりから、今シーズンの勢力図を見てみよう。新たな車体レギュレーションが導入され、マシンのデザインが一新された今年は、各チームにとって大きな飛躍のチャンス。そして、そのチャンスを最もうまく利用したのが、開幕戦、メルボルンでセバスチャン・ベッテルが2年ぶりの優勝を果たしたフェラーリだ。

 フェラーリの新車、SF70Hは開幕前のテストから、ライバルのメルセデスを凌ぐ速さを見せ、車体、エンジンの両面で大きな進歩を遂げたことを証明した。開幕戦のメルボルンでは純粋なスピードの点でメルセデスにわずかに及ばなかった印象だが、決勝レースでは巧みな戦略も功を奏し、ベッテルは、2位ルイス・ハミルトン(メルセデス)につけ入るスキを与えなかった。

 ここ数年、毎年のように期待と失望を繰り返してきたフェラーリが、タイトル争いが可能なマシンを手に入れたことは、今シーズンを確実に面白くするポジティブな変化だろう。もちろん、1レースを終えただけで、メルセデス対フェラーリの今後を占うことは難しいが、テストと開幕戦を見る限り、フェラーリはかなり高いレベルにあると見ていい。

 その革新性と仕上がりの高さは、F1デザイナーのカリスマ的存在でもある、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイが「今年のフェラーリは自分の理解を超えている」と語っていることからも明らかだろう。現時点では「メルセデスの独走」が終わり、フェラーリとの「2強時代」となる可能性を十分に感じさせてくれる幕開けだった。

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