ホンダF1に大激変。バトンが語った「レースから離れる理由」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 前戦ベルギーGPでパワーユニットを大幅改良したとはいえ、まだメルセデスAMGやフェラーリには及ばない。予選では2台ともにQ3に進むことができず、長谷川総責任者は、「完全に力負けです、本当に悔しい。事前に予想していたこととはいえ、すごくガッカリです」と、大きく肩を落とした。

 しかし、他社ユーザーが"予選モード"を使わない決勝では、差が縮まる。

 バトンはスタートでホイールスピンを喫して出遅れたうえ、1周目の第1シケインで行き場をなくしてランオフエリアをカット。さらに、レズモ(ターン6から7)でザウバーに押し出されてグラベル(砂利道などの非舗装路面)に突っ込み、最後尾まで落ちてしまった。それでもそこから着実に追い上げ、オーバーテイクも見せて、最後は11位のハース(ロマン・グロージャン)を0.551秒差まで追い詰めた。

「10位からは何秒遅れだった?」

 10位のフォースインディア(ニコ・ヒュンケンベルグ)から約13秒差だったと聞かされたバトンは、「う~ん、それは(追いつくことが)可能だったかもしれないね」と言った。

「1周目で最後尾まで落ちてしまったのはもったいなかったけど、パラボリカ(ターン11)でアウトからグティエレス(ハース)を抜いたり、いいオーバーテイクも決めてレースをすごく楽しめたし、いい1日だったよ。最悪な1周目を除けばね(苦笑)。あれがなければ、フォースインディアのヒュルケンベルグとはポイント争いができていたと思う。自分自身のパフォーマンスにはとても満足しているし、自分のベストレースのひとつだったと思うよ」

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