痛恨のオーバーGは「パイロットの問題」
室屋義秀の年間表彰台に暗雲
晴れのち曇り、一時雨――。
レッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップ第6戦に臨んだ室屋義秀の感情を天気で表せば、そんなところになるだろうか。予選では満足のフライトを見せた室屋だったが...... (c)red bull
あたかも、レースが行われたドイツ・ラウジッツの空模様と呼吸を合わせるかのように、室屋の気持ちも大きな移ろいを見せていた。
予選が行なわれた9月3日、ラウジッツは好天に恵まれた。照りつける日差しは強く、日なたに出ていると、たちまち肌が焼け焦げてしまいそうなほどだった。
そして、室屋もまた、この日の太陽のごとく、まぶしい光を放っていた。
予選1本目、室屋は54秒700のタイムで、その時点での3位につけた。この日は午後になって風が強くなったことで、パイロンヒットやインコレクトレベルのペナルティが続出するなか、室屋は手堅いフライトでまとめてもなお、3位となるタイムを出すことができていた。
予選1本目で最低限の順位を確保した室屋は、2本目のフライトでは「トップのナイジェル(・ラム)がすごいタイムを出していたので、普通に飛んだのでは追いつかないと思い、目一杯攻めた」。
結果、室屋の2本目はオーバーGを取られてDNF(フィニッシュせず)に終わったものの、予選順位は4位(翌日になり、3位のマルティン・ソンカのエンジンに規則違反が見つかり、室屋は3位に繰り上がった)。「予選としてはよかったのではないか。オーバーGも、リミットでどこまで行けるか試したことなので、オーケーだと思う」と笑顔で語る様子には、少なからず満足感が漂っていた。
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