佐藤琢磨が「メチャクチャ速い」状態でインディカー最終戦へ

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

インディカー・シリーズ第15戦、ワトキンス・グレンで17位に終わった佐藤琢磨インディカー・シリーズ第15戦、ワトキンス・グレンで17位に終わった佐藤琢磨 インディカー・シリーズ第15戦。マサチューセッツ州ボストンで初めて催される予定だったストリートイベントがキャンセルされ、ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルで代替イベントが行なわれることになった。このコースでインディカーのレースが開催されるのは2010年以来のことだ。

 元F1ドライバーの佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、本来ならワトキンス・グレンのようなロードコースが得意なはずだが、インディカーに来てからはストリート(市街地)コースでの方がパフォーマンスは高く、「ボストンがなくなっちゃったのは残念」と何度も口にしていた。

 それでも琢磨は、デビューイヤーの2010年にワトキンス・グレンを走り、予選で5位という好成績を残している。好きなタイプのコースなのだ。

 プラクティス1を走り終えた琢磨は、「メチャクチャ速い」「危ない」などと言いながらも、表情は輝いていた。路面が全面改修されたばかりのワトキンス・グレンは、インディカー・シリーズで最もスムーズなコースに生まれ変わっていた。もともと超高速がウリだったコースは、グリップが飛躍的に高まったことにより、思い切りのよさがないと速く走れない特徴がより色濃くなった。自分の腕とマシンの性能を信じて大胆に攻めなくてはならないコースは、琢磨のスタイルに合っている。このサーキットが1961年から1980年までF1アメリカGPの舞台だったという歴史も琢磨の挑戦意欲をかき立てていたはずだ。

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