佐藤琢磨が「メチャクチャ速い」状態でインディカー最終戦へ (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 前を行くのは同じ作戦に出たカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)のみ。琢磨はリスタートで果敢にトップを奪いにいった。しかし、ここでドアを閉められてシケインの走行ラインがワイドになったため、琢磨は6番手に順位を落とした。

 もう1回のピットが絶対必要なトップグループは、速いペースで周回を重ね、琢磨も彼らに食らいついていった。琢磨は最後のピットを、ゴールまで12周というところで行なった。タイヤはグリップの高いレッドを装着。順位は16番手まで落ちたが、先行車の多くは燃料セーブモードでペースが上がらなくなっていた。

 ゴールまで2周となった時、琢磨は8位まで順位を上げ、ポイントリーダーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)のすぐ後ろを走っていた。燃費の苦しい彼を抜ける可能性は十分にあった。

 琢磨はターン8でオーバーテイクするために、ターン7で普段と違うラインを採った。だが、そこでリヤがタイヤかすに乗り、痛恨のスピン! クラッシュこそ避けたが、順位は18位に転落、最後は17位でのゴールとなった。

 チャンピオン争いを行なっているパジェノーは、7位というポジションよりもフィニッシュを優先したかった。琢磨はそんな彼をパスしていれば、ゴール目前でジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がガス欠でストップしており、6位を手にできていた。残り2周をハード・プッシュすればトップ5入りさえ可能だったかもしれない。

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