【F1】2016年シーズン分析。フェラーリの王座奪還はあるのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 組織改革の初年度は「シーズン3勝」という目標を掲げ、まさにそれを果たした。ただ、アリバベーネは最初から新たな組織がこれほどうまく機能するとは思っていなかった、とも言う。

 新組織の2年目となる2016年は、この体制でゼロから作り上げた初めてのマシンで臨むことになる。メルセデスAMGの牙城は鉄壁だが、フェラーリがそれにどこまで迫ることができるのか、非常に興味深い。

(3)大混戦が予想される中団グループの筆頭は?

 2016年も中団グループの争いは極めて熾烈で、よりエキサイティングなものになりそうだ。2016年最大の見どころは、そこかもしれない。

 なかでももっとも注目すべきは、昨年フェラーリに次ぐランキング3位となったウイリアムズだろう。昨年型FW37に優勝争いのポテンシャルがないと見るや、後半戦は開発を切り上げて、早くから2016年型マシンの準備にリソースを割いてきた。

「だから後半戦は苦労させられたけど、僕らはトップチームに較べて少ない予算を効率的に使わなければならない。僕らにとって重要なのは2016年だ」(バルテリ・ボッタス)

 一方、「車体性能ではピカイチ」と言われるレッドブルは、紆余曲折の末にルノー製PUをタグホイヤーの名で使用することになった。2016年の改良型PUの性能によっては、中団グループのトップをウイリアムズと争うばかりか、ふたたび優勝争いに絡んでくる可能性もある。逆に、2015年型フェラーリ製PUを押しつけられた形のトロロッソは苦戦を強いられるだろうが、「ルノー製PUで戦った2015年よりマシ」(マックス・フェルスタッペン)な戦いができるかもしれない。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る