【F1】2016年シーズン分析。フェラーリの王座奪還はあるのか? (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 さらに2016年、予定どおり21戦が行なわれることになれば、年間4基の制限が拡大されて5基となり、製造コストはさらに高くなる。これでは、カスタマーチームの負担は増えるばかりだ。

 エコロジーを考慮してFIA(国際自動車連盟)が推進した新PU規定だが、結果的に中小規模チームを大いに苦しめることになってしまった。巨額の持ち込み資金を持つ"ペイドライバー"を中小規模チームが起用せざるを得ないのも、こうした状況ゆえ。

 2016年に向けてどのチームも財政基盤を整えつつあり、すぐに消滅チームが出てくるような状況ではない。しかし、世界経済が好転せずにスポンサーの開拓が進まない現状が変わらなければ、財政難にあえぐチームが出てくる可能性があるだけでなく、「F1が魅力的でない」というイメージがさらに進んでしまう危険性も秘めている。

(後編に続く)

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