2013.08.26

【MotoGP】快進撃の新星、
マルク・マルケスが見せる規格外の強さ

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 スポーツの出来事を大袈裟な比喩や仰々しい言葉で飾り立てて過剰に煽(あお)る安易な手法はまったく趣味ではないのだが、こと、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)に関するかぎり、「我々はいま、歴史が書き換えられていく瞬間を目撃している」という表現は大仰でもなんでもなく、単なる事実の指摘にすぎない。

 ブルノサーキットで開催されたMotoGP第11戦チェコGPで優勝したマルケスは、これで第8戦ドイツGPから4連勝を達成。51年前の1962年にマイク・ヘイルウッドが樹立した史上最年少の4連勝記録に並んだ。

チェコGPで優勝したマルク・マルケス。今季これで5勝目となった 第2戦アメリカスGPの初優勝で、フレディ・スペンサーが所有していた最年少優勝記録を31年ぶりに更新した一件は、彼の資質のほんの一端を示していたにすぎない、というわけだ。

 マルケスは今回の4連勝で今季通算5勝。ケニー・ロバーツが1978年に記録したルーキーイヤー最多優勝数(4勝)も更新した。すでにシーズン前半戦でずば抜けた能力を充分に開花させているために、一勝増えたところで今さら誰も驚かない。レース内容も、MotoGPに乗ってまだ数カ月しか経たない20歳の若者とは思えない、まるで百戦錬磨のベテラン選手のような戦略と展開だった。

 フロントローからスタートして、序盤はトップを走るホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)の背後にピタリとつけ、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)とともに3台でトップグループを構成。