【F1】勝利まであとわずか。日本人エンジニアが語った「ドイツGPの舞台裏」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「実質的に彼はナンバー2です。チームオーダーが出ればそれに従って、そのうえで仕事を完璧にこなさなければならない。そうやってチームに『俺は速いんだ』って証明しなきゃいけないんです。そういう意味では、今日はすごく良かった。最後にキミを行かせた後も、精神的に折れずにフェルナンド(・アロンソ/フェラーリ)をしっかり抑えて3位表彰台ですからね」

 小松は日頃から歯に衣着せず、物事を率直に語る人物だ。だからこそ、ドイツGP直後の彼の言葉から、勝利に手の届くところまでいった今週末のグロージャンの成長ぶりがうかがえた。

「よくやったと思います。久しぶりに良い週末です。勝てなかったのはホントに悔しいですけどね」

 ホッとした気持ちと、悔しい気持ちがないまぜになったのか、小松は苦笑いした。

 だが、ドイツGPで見せた走りと精神的な強さがあれば、グロージャンと小松の"その日"もそう遠くないのかもしれない。

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