2013.07.02

【F1】安全性に疑問。イギリスGPでピレリタイヤが連続バースト

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 モータースポーツの聖地と呼ばれるイギリスのシルバーストンで、12万の母国大観衆の熱狂的な声援を受けながら首位を快走していたルイス・ハミルトン。地元イギリス出身の元ワールドチャンピオンに突然、衝撃的なシーンが訪れた。スタートからわずか8周目、彼の左リアタイヤが壊れ、激しくちぎれ飛んだのだ。

 その後、他のドライバーにも同じような事故が続発し、計4人が左リアタイヤのバースト(破裂)に見舞われた。コース上に落ちた破片やコース脇の縁石で傷が付いたのか、高速コーナーの負荷が内部構造を破壊したのか、その原因はすぐには分からなかった。つまり、彼らだけでなくどのドライバーにもその危険性はあり、彼らは皆「受け容れがたい。ドライバーの安全性を第一に考えてもらいたい」とピレリに対して厳しく語った。

レース中に突然タイヤがバーストしたハミルトンのマシン ピレリは「まったく予期せぬ事態であり、深刻にとらえ、事故の分析と原因の究明を進めている」とし、5日後には開幕するドイツGPまでに急きょ対応を迫られることとなった。

 だがしかし、このシーンを「やはり起きたか……」という気持ちで見ていた人物がいた。マクラーレンのタイヤ戦略を担う今井弘エンジニアだ。

「タイヤの設計をしたことのある人なら、だいたい思い浮かぶと思います」

 ブリヂストンでタイヤ設計に携わってきた今井には、イギリスGPに投入されたピレリタイヤに何が起きるかが予想できていたのだという。