【競馬】打倒ドゥラメンテ。リアルスティールに逆転の秘策あり

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 牡馬クラシック第1弾の皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)。2着に終わったリアルスティール(牡3歳)は、勝ったドゥラメンテ(牡3歳)の"異次元の末脚"に屈した。着差は1馬身半だったが、両馬の間には、着差以上の差があるように見えた。まさしく完敗だった。

 一方で、リアルスティールと3着キタサンブラック(牡3歳)との間には、さらに大きな差、2馬身半もの開きがあった。ドゥラメンテには及ばなかったものの、それ以外の馬との比較では、リアルスティールの力は明らかに"抜けていた"のだ。

 ゆえに、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)でも、「皐月賞1、2着馬の争い」と見る向きが強い。そこでポイントになるのは、一敗地にまみれた感のあるリアルスティールが、ダービーでドゥラメンテを逆転できるかどうか、だ。

 皐月賞の、とりわけゴール前のパフォーマンスの差を見る限り、その可能性はとても高いとは言えない。だが、リアルスティールがダービーというレースで得るはずの、いくつかのアドバンテージを見込めば、皐月賞のようなワンサイドゲームにはならないだろう。

 まず、舞台が中山から東京に変わる。

 リアルスティールは、その東京コースを舞台として行なわれた共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)で、ドゥラメンテを負かしている。それも、デビュー戦を勝ったばかりのキャリア1戦の身で、断然人気のドゥラメンテを内から見事に差し切ったのだ。

 リアルスティールの、東京コースの適性は間違いなく高い。つまり、ダービーにおいても、確実にパフォーマンスを上げてこられる、ということだ。

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