【競馬】シンザン記念の穴は、名手が再度操るグァンチャーレ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 この冬は寒い日が続きますね。年明けの栗東トレセン(滋賀県)は雪に見舞われて、調教するのも大変だったようです。しかしそれでも、中山金杯(1月4日/中山・芝2000m)では、1着、3着、4着が関西馬。その強さには恐れ入ります。

 年明け2週目は、変則3日間開催(1月10日~12日)。重賞は、11日に京都でシンザン記念(芝1600m)が、12日に中山でフェアリーS(芝1600m)が行なわれます。ともに、明け3歳馬によるレースで、今春のクラシックを占う意味でも必見です。

 なかなかの良血馬や素質馬が顔をそろえた牝馬限定のフェアリーSも見応えがありますが、ここではかつて、ジェンティルドンナ(2012年、1着)やオルフェーヴル(2011年、2着)、ダイワスカーレット(2007年、2着)などの名馬たちが出走したシンザン記念を取り上げたいと思います。

 昨年も、勝ったミッキーアイル(牡4歳)がその後、NHKマイルC(5月11日/東京・芝1600m)を制覇。2着ウインフルブルーム(牡4歳)も皐月賞(4月20日/中山・芝2000m)で3着と好走し、先日も京都金杯(1月4日/京都・芝1600m)を快勝しました。さらに、3着馬のタガノグランパも、日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)、菊花賞(10月26日/京都・芝3000m)で4着と上位争いを演じるなど、厳冬期のマイル戦ながら、のちのGIウイナーや出世馬を輩出することが多い重賞です。

 今年のメンバーを見渡してみると、現状、そこまでの活躍が期待できる馬はちょっと見当たりませんが、まず注目したいのは、ナヴィオン(牡3歳)です。昨夏、新潟のデビュー戦(8月3日/芝1600m)では、強烈な末脚を見せて快勝。その決め手は、今なお鮮明に覚えています。

 レースは比較的緩いペースで進み、逃げた馬の内側を追走していた、のちの2歳女王ショウナンアデラ(牝3歳)が直線半ばで抜け出しました。その際、ショウナンアデラ鞍上の蛯名正義騎手も「勝った」と思ったのではないでしょうか。しかし、後方から唯一追い込んできたナヴィオンが、ゴール直前で一瞬にして差し切り勝ち。32秒7という上がりタイムも破格でしたが、その切れ味には時計以上の"凄み"を感じました。
※GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月14日/阪神・芝1600m)優勝。戦績は4戦3勝2着1回。牝馬クラシックの中心的な存在と言われている。

 次走の新潟2歳S(8月31日/新潟・芝1600m)は、6着。最後方につけた位置取りの差が結果に出たような気もしますが、2歳の若駒が、それも暑い夏に新潟までの長距離輸送を2度も行なえば、その影響がレースで出たとしてもおかしくありません。

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