2015.01.08

【競馬】2015年クラシックの「主役」は、本当にディープ産駒か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 ジェンティルドンナが有馬記念で有終の美を飾って、幕を閉じた2014年の中央競馬。それからほぼ休むまもなく、1月4日には2015年の戦いの火ぶたが切って落とされた。やはり注目は、今春のクラシック()に向けた争いである。
※牝馬=桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)、オークス(5月24日/東京・芝2400m)
牡馬=皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)、ダービー(5月31日/東京・芝2400m)

 これまでの傾向では、牝馬戦線は2歳女王を決する阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。阪神・芝1600m)の、牡馬戦線は11月の東京スポーツ杯2歳S(以下、東スポ杯。東京・芝1800m)か、12月の最終週に行なわれるラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)の好走馬が、翌春のクラシックの主役になることが多かった。

 例えば昨年の桜花賞では、阪神JFの1着(レッドリヴェール)、2着(ハープスター)馬が、順位が入れ替わっただけでワンツーフィニッシュ(1着ハープスター、2着レッドリヴェール)。オークスでもハープスターが断然の一番人気に推された(結果は2着)。牡馬も、皐月賞は東スポ杯覇者のイスラボニータが制し、ダービーはラジオNIKKEI杯2歳Sを勝ったワンアンドオンリーが頂点に立った。まさに例年の傾向どおりの典型的な結果になったと言える。

 今年も、牝馬戦線はその傾向どおり、阪神JFの上位陣()が中心になると見られているが、牡馬戦線は例年どおり、とは限らない。というのも、昨年から牡馬向けの2歳重賞スケジュールが大幅に変更されたからだ。
※1着ショウナンアデラ(牝3歳。父ディープインパクト)、2着レッツゴードンキ(牝3歳。父キングカメハメハ)

赤字は、2014年から開催場所移行もしくは新設&格上げされたレース。 まず、一昨年まで中山・芝1600mで行なわれていたGI朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS)が、舞台を阪神(芝1600m)に移した。それと入れ替わるようにして、年末に阪神で行なわれていたラジオNIKKEI杯2歳Sは中山・芝2000mを舞台とし、名称もホープフルSと改められた。加えて、通常東スポ杯の翌週に行なわれていたオープン競走の京都2歳S(京都・芝2000m)が重賞(GIII)に格上げ。翌年のクラシックにつながっていきそうな2歳重賞がさらに増えた。

 とりわけ、朝日杯FSの舞台変更が、これまでの傾向を大きく変えそうだ。なにしろ、トリッキーなコース設定で枠順などによる有利不利が出やすかった中山に比べて、コースが広く、スタート後と最後の直線も長い阪神のほうが、各馬の実力がそのまま反映されやすくなる。おかげで、2歳チャンピオン決定戦としてふさわしい舞台となり、今まで翌年のクラシックを見据えて朝日杯FSを避けていた有力馬たちの参戦が一層見込めるようになった。

 結果、近年は2012年のロゴタイプ(皐月賞1着)と、2009年のローズキングダム(ダービー2着)くらいしかクラシックに結びつかなかった朝日杯FSの好走馬も、今年はよりクローズアップせざるを得ないだろう。加えて、皐月賞と同じ舞台で行なわれるホープフルSについても、重賞になったことでよりレース価値が増し、従来のラジオNIKKEI杯2歳Sと同等に考える必要が出てきた。