2015.01.14

【競馬】トップ調教師が寵愛する、ディープ産駒の「隠し玉」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!新馬情報局
第27回:コートオブアームズ

 2012年、ディープブリランテでホースマンの夢である『日本ダービー』のタイトルを手にして、昨年はJRAの最多勝利調教師(54勝)に輝いた矢作芳人調教師。そのトップトレーナーが管理する3歳馬の中に、これからデビューを控えた期待の若駒がいる。

矢作芳人調教師が活躍を期待しているコートオブアームズ。 コートオブアームズ(牡3歳/父ディープインパクト)である。

 コートオブアームズの母は、アメリカのGIアップルブラッサムハンデ(ダート1700m)を制したアーマイン。その母親にディープインパクトをかけ合わせた良血とあって、コートオブアームズのことは、矢作調教師もかなり早い段階から目をかけていたという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「コートオブアームズがまだ入厩する前から、矢作調教師は同馬について『血統的に期待している』とコメントしていました。11月に入厩すると、今度はスタッフからも『乗り味は悪くない』という声が聞こえてきましたね。そして11月21日には、ゲート試験もすんなり合格しました」

 ゲート試験までは順調にこなしたコートオブアームズだったが、その後の本格的な追い切りでつまずいてしまった。坂路で一杯に追ったものの、ラスト200mを15秒0と失速してしまったのである。そのときの陣営の反応を、前述のトラックマンが伝える。

「この調教を見て、矢作先生は『まだデビューへの態勢が整っていない』と考えたようですね。再度、放牧に出しました。ただ、調教当日は雨でかなり馬場が悪くなっており、『時計が悪くなったのは仕方ない』とも矢作先生は言っています。期待が高いゆえに、大事をとって再調整の判断を下した、というところではないでしょうか」

 追い切りのあと、コートオブアームズは放牧へ。それから年を越すまで、放牧は長引いている。しかし、先述のトラックマンによると、「デビュー時期はそう遠くないはず」と言う。

「陣営は、放牧先でしっかり乗り込んで、入厩後すぐにデビューさせる形で計画しているようです。もちろん馬の状態次第だと思いますが、それほどデビューを先に延ばす考えはないようですよ」

 3歳馬の大目標と言えば、GI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)。矢作調教師は、コートオブアームズでその夢舞台への参戦を見込んでいたはずである。

 1、2月のデビューは、決して有利とは言えない。だが、過去にも年明けデビューでダービーを制し、競走馬の頂点に立った馬はいる。はたしてコートオブアームズは、その大一番に間に合うのか。デビューが待ち遠しい。

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