【競馬】混戦の京成杯。柔軟性あるブラックバゴに一発の気配

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 早くも年明け3週目を迎える中央競馬。これからしばらくは通常の土日開催となりますが、今年もここまでは、2週連続で月曜日開催があったため、トレセンの調整は変則になっていました。ただでさえ仕上げの難しい厳寒期、変則開催のうえ、雪の影響などもありましたから、関係者の苦労は相当なものだと思います。

 そんな中、1月18日には京成杯(中山・芝2000m)が開催されます。先週、京都で行なわれたシンザン記念(1月11日/芝1600m)と同様、今春のクラシックを占う意味でも注目の3歳重賞レースです。

 牡馬クラシック第1弾の皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)と同じ舞台。その大一番へ向けての経験も兼ねて、各厩舎の"クラシック候補"が多数出走を予定しています。関西からも有力馬が数多く参戦予定で、ますます注目度が増していますね。

 ただし、このレースで2着以内に好走して皐月賞でも連対した馬は、過去10年で、サンツェッペリン(2007年、京成杯1着、皐月賞2着)とシックスセンス(2005年、京成杯2着、皐月賞2着)の2頭だけ。他、京成杯を制したエイシンフラッシュ、マイネルチャールズ、アドマイヤジャパンが、皐月賞で3着に入線していますが、意外と京成杯の結果は、本番の皐月賞に直結していません。

 おそらく、京成杯は厳冬期の、しかも調整が難しい正月明けの開催とあって、今後の伸びしろを秘めた馬よりも、仕上がりの早い馬や、その時点での完成度の高い馬が結果を出しているのでしょう。そういう意味では、単純に勝ち鞍の多い馬には注意が必要です。3勝を挙げているコスモナインボール(牡3歳)をはじめ、2勝しているベルーフ(牡3歳)やタケルラムセス(牡3歳)、そしてダート路線を歩んできているとはいえ、出走メンバー中最も多い6戦(2勝)のキャリアを積んでいるイーデンホール(牡3歳)などは、軽く扱うことはできません。

 なかでも注目すべきは、非常に完成度が高そうな、コスモナインボールです。メンバー唯一の3勝馬で、その3勝の内容も悪くありませんでした。何より、直線に入って並んでからが強い馬で、激戦になればなるほど、能力を発揮しそうです。前走の朝日杯フューチュリティS(12月21日/阪神・芝1600m)では、結果的に決め手勝負の競馬になって9着に敗れてしまいましたが、その結果だけで見限ることはできません。

 出世レースのエリカ賞(12月27日/阪神・芝2000m)を勝ったベルーフも、そのレースぶりから、素質の高さ、仕上がりの早さがうかがい知れます。しかしこの馬は、いまだ成長途上の段階で、完成されていないと思います。それでいて、3戦2勝2着1回という成績を残し、競馬でも素晴らしいパフォーマンスを見せているのですから、もしここでも結果を出すようなら、先々が本当に楽しみになりますね。

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